ノコギリヤシと漢方

ノコギリヤシのサプリメントは排尿トラブルに効果があることで知られています。
一方で前立腺肥大に関していえば漢方薬で治療する方法もあります。
ここではノコギリヤシと漢方による尿トラブル対策法の違いについて考えてみます。

前立腺肥大の症状としては夜中に何度もトイレに行きたくなる、行っても尿が出にくい、勢いがないなどの初期症状があります。
50歳代の男性では二人に一人、65歳以上では9割の方に前立腺肥大傾向があります。
前立腺があるのは男性だけで、クルミ大の大きさの生殖器として膀胱の真下に存在しています。
前立腺は加齢によってホルモンバランスが崩れたことで肥大化すると考えられます。
ノコギリヤシはホルモンバランスを崩す原因となる酵素の働きを抑えることで前立腺肥大の初期症状が予防できるのです。

漢方薬の世界である東洋医学では前立腺肥大の原因は「腎虚(じんきょ)」によるものとされています。
東洋医学で言う「腎」とは腎臓の事だけではなく膀胱や生殖器、胃腸が虚弱になっていて生命エネルギーが弱くなっているものととらえます。
前立腺肥大は加齢によることが原因であることから全身の状態をよくするために漢方薬が用いられることがあります。
例えば胃腸が弱いやせ型の人には八味地黄丸(はちじみおうがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)が使用されます。
胃腸の調子が普通で中肉中背の人には猪苓湯(ちょれいとう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)が処方されます。
そして胃腸が強い筋肉体質の人には桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)が処方されることが多いです。
いずれにしても東洋医学の立場から体質を見分けることは困難であるため医師に相談して処方してもらうことが必要です。

ノコギリヤシそのものを漢方薬にしたものもあります。
ノコギリヤシを服用する場合にはその実を乾燥させてエキスを抽出します。
漢方薬の作り方も果実を煎じてお茶にして服用したり粉末にして摂取することと似ているところがあります。
そして中国では「棕櫚子(しゅろし)」と呼ばれ、泌尿器疾患の漢方薬として使用されています。

漢方薬とサプリメントの違いは医師の処方が必要かそうでないかによるところが大きいのです。
漢方薬はその服用には注意が必要なので医師の処方に従う必要があります。
しかしサプリメントは即効性がない代わりに比較的自由に服用することができますが自己責任での管理・服用となります。
症状によっては漢方薬とサプリメントとの併用と言ったことも考えられます。
まずはご自身の体の状況や症状の詳細を詳しく把握するためにも医師の診察を受けて正しく服用することを心がけましょう。